O1照明事業コイズミ照明株式会社
PROJECT
Story

プロジェクトストーリー

SCROLL

最先端の空間づくり
外資系オフィスの照明計画に挑む

PROFILE
  • 世良 由利子SERA YURIKO

    首都圏市場開発統括部 施設開発部
    (取材当時)
    2014年入社 営業職

    開発営業としてゼネコン、設計事務所、照明デザイン事務所を担当。コイズミ照明とクライアントがwin-winとなるようなシステムの構築・提案を担う。
  • 熱田 友加里ATSUTA YUKARI

    首都圏市場開発統括部 LCR東京
    2012年入社 空間設計デザイン職

    ホテル、オフィス、文化施設など数々の照明計画を手掛ける。2019年には“京都神楽岡 蓮月荘”でIES illumination Awards最優秀賞、照明デザイン賞優秀賞を受賞。
  • 井戸坂 悠平IDOSAKA YUHEI

    首都圏市場開発統括部 LCR東京
    2020年入社 空間設計デザイン職

    前職でも照明計画に携わっていたキャリア組。外資系オフィスのプロジェクトに参画した経験から、プロジェクトメンバーに抜擢される。

ミッションは
クリエイティビティを刺激する空間

外資系動画配信サービスの新オフィスを受注した設計事務所から、プロジェクト協力のご相談をいただきました。この設計事務所は私が営業担当となった当初、まだまだ関係性の構築が出来ておらず、トイレのダウンライト1灯から営業活動をスタートしました。そこから5年掛けた地道な営業とLCRの設計力で少しずつ信頼を獲得していった結果、本件のようなプロジェクトもご相談いただけるようになりました。
プロジェクトがスタートしたのは2020年。グローバルに展開する企業の場合、各国の特徴、日本でいえば和のテイストを求められることが多いのですが、本件はそれに加えてクリエイティビティを刺激する空間のオーダーがありました。
通常は1人の設計者が担当するところを、このプロジェクトは熱田さんをメインに、私と伊藤さん(現在育休中)の3名体制を取りました。私は転職してすぐのプロジェクト参画。不安はありましたが、どんな作業でもトライしてみようという気持ちで臨みました。
転職後のビッグプロジェクトでも、物怖じせずに頑張ってくれましたよね。前職でも外資系オフィスの設計経験があったと聞いていたので安心でした。
プロジェクトを進めるにあたって、
難しかった点はありますか?
このプロジェクトは、リアルな打ち合わせの機会が少なかったことが難しかったですね。実際に製品を見ていただいて確認・承認をいただくことが、通常のプロジェクトよりも少なかったことは不安材料でした。光は実際に見ていただかないと“明る過ぎる”“暗過ぎる”や“色温度がイメージと違う”ということがよくあるんです。
提案の認識にズレが出ないよう、3Dグラフィックを活用して提案しました。「暗いところもつくりたい」という要望でしたが、ただ暗いだけでは陰鬱に見えます。暗めの空間は設計上失敗しやすいので、とても気を遣いましたね。お客様がこだわっておられた空間では、井戸坂さんが得意のモックアップを制作して詳細を詰めていきました。
照明は図面だけでは分かりませんから。実際は湾曲した壁面に間接照明を配置したのですが、実際に光を見ながら器具と壁の間隔を調整できるように器具を固定せず、あえて器具を動かせるようなつくりにしました。

入手できない海外照明は
地道な探索と特注品で解決

設計担当者の視点として、
難しかった点はありますか?
苦労したのは、米国のデザイナーから指定された器具に、日本で入手できないものが数多くあったことです。グローバルに展開している大手メーカーの器具なら入手できますが、海外の仕様に合わせた特殊なスペックの照明器具は難しいです。入手の可否を1つずつ調べて配光や仕様を調整し、日本で入手できる代替え品を探しました。これには井戸坂さんが随分力になってくれました。
転職したばかりで自社のラインアップは熟知できていなかったのですが、前職で海外の照明を扱っていたので、同じような仕様の照明器具を探して提案しました。海外製品の場合、日本の法律に基づく認証が必要なものもあるので、その確認も併せて行いました。それでも入手できないものは特注品として依頼しましたが、世良さんが活躍してくれましたね。
特注品はコイズミ照明の製作室に依頼し、プロダクトマネジメントしました。このプロジェクトは、有償のコンサルティング契約をいただいていたので、当然営業としての動きも変わります。ゼネコンやサブコンとの打ち合わせに加え、米国のデザイナーやAV機器メーカー、空調メーカーなど多くの関連業者との調整役を担ったと思っています。
AV機器といえば、今回のプロジェクトでは試写室やクリエイターが集まる特殊な空間が多かったですね。
「照明と映像を連動させたい」というオーダーでしたが、最終的にはタブレットで操作できるようにAV業者の方々と調整しました。

シーンと照明をリンクさせる発想
成功の鍵は「共感力」

照明制御では、使用シーンやオペレーション方法など、運用面のヒアリングをじっくり行いました。
最近は、ホテルなどの施設でも連動制御の相談をよく受けます。空間全体を快適にするために、照明という技術が欠かせない時代になったと感じています。
プロジェクト推進において、1番大切なのはエンパシー(共感力)だと思います。デザイナーが意図していることは何か?施工業者、プロジェクトマネジメントサイドからの質疑は、何を懸念してのコメントなのか?そこには必ず理由があるはずで、それぞれの立場を超えた共感力がプロジェクト成功の鍵になると思います。
それは社内でも同じですね。KOIZUMIには互いに教え合う文化があると思います。スキルの高いデザイナーと知識を共有できることが強みだと感じています。このプロジェクトでは、熱田さんのスキルの高さに本当に助けられました。
本件のような外資系オフィスの仕事は、今後も増えていくと思います。このようなプロジェクトに参加出来たことで、更に設計ノウハウ・営業の観点での知見が増えたように感じます。今後は知見を活かし、更に難易度の高い国内外のプロジェクトにチャレンジしたいと個人的には考えています。
熱田さん、井戸坂さんは
このプロジェクトから何を学びましたか?
グローバルに展開するオフィスを手掛けたことで、オーナーが満足するだけの照明設計では手放しで喜べないと感じました。オーナーからOKをいただいても、来社されるお客様や株主はどう感じるか。これからは視野を広げて、全てのステークホルダーに「コイズミ照明に依頼して良かった。」と満足していただける空間づくりを目指したいですね。
世良さんの話にもありましたが、私も知識の蓄積が1番の収穫でした。どんなに良いインテリアも照明次第で印象も価値も変わります。オーナーやデザイナーの意図を汲み取りつつ、良い空間となる照明計画を行っていきたいですね。
忘れてはならないのが、プロジェクト完了後に産休に入った伊藤さんです。復職後はママデザイナーとして活躍されると思いますので、また一緒に仕事できるのが楽しみです!
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